日本一心の込もっていないタレント、
高田純次さんによる
「豊かな日本語講座その1」


 はあぁ〜〜〜いこんにちは、高田純次です。
 もうすぐクリスマス。素敵な12月、木曜午後のひととき。皆様、如何お過ごしですか? 今週も皆さんと一緒に、豊かな日本語についてお勉強してみたいと思います。今週のテーマは「人に対する、正しい謝罪の表現」です。お手持ちのテキスト36ページをご覧ください。とっとと開きましょう。

 え〜、謝罪とひとくちに申しましても、様〜々ございます。
 先ず大切なのは、相手がどれだけ怒っているのかを正確に見極める事です。

 目が血走っていませんか? 眉間にしわが寄っていませんか? そうですそうです、こぶしがブルブルと電動肩叩き機のように震えているのもとても大事な要素です、こういう細かい相手の仕草・所作を見逃さない様にしましょう。決して見逃してはいけませんよ。どうなるか知ったこっちゃ御座いません。

 では、ステップ1、「相手がややムッとしている時」
 え〜、わたくしたちの日々の暮らしに於いて、軽い冗談が通じなかったり、どうしても意味を履き違えられてしまう事ってありませんか? 私は毎日です。そんな時には慌てずに、このようにして謝りましょう。

 さあ、ご一緒に!
「ごめんなさい、反省してます。」
 もう一度!
「ごめんなさい、反省してます。」
 はぁ〜いよく出来ました。皆さん素晴らしいですねぇ〜。

 では、ステップ2に参りましょう。「相手がかなり怒っている時」
 親切に指摘してあげた事が、相手にとって一番のウィークポイントだったり矛盾を突いてしまったりする。これも、日常よくある話ですね。私なんか年がら年中そうです。

 そんな時は、自分にこれっぽっちも非がなかろうが、ふざけんじゃねーこのスットコドッコイ等と仮に思っても、そこは一人の大人として、おくびにも出さずに謝っておきましょう。最高の素敵な情けなくて気まずい笑顔を作ってみて下さい。ニッコリニヤニヤはいけませんよ〜。

 さあ、ご一緒に!
「申し訳ありません。本当にすみませんでした。以後気をつけます。」
 全っ然、心にもない事かも知れませんが、ぐっとこらえてもう一度!
「申し訳ありません。本当にすみませんでした。以後気をつけます。」

 さあ、いよいよステップ3です。「相手が完全にキレている時」
 これは流石にちょっと難しくなってきます。なにしろ相手はキレているわけですから、理屈や理論をいくら並べても通じません。

 中には、ブチ切れているのに平静を装い揚げ足取りに執念を燃やすタイプもいますが、どのみち時間の無駄なので相手にするのはやめておきましょう。
「弁護士」「訴訟」「謝罪」みたいな文字列が程良くブレンドされたメールが届いても慌てることはありません。慌てているのは相手の方です。

 私なんか二日に一度は感熱紙40mの写経みたいなFAXが、♪わんさかわんさ、わんさかわんさ♪と送られてきますが、やはりここは♪いぇーいいぇーい、いぇいいぇい♪と謝ってしまうのが一番です。

 さあ、ご一緒に!
「ああ、どうかお許し下さい! 心の底からお詫び申し上げます!
 私に非があるのは誰の目にもあきらかです!
 あなたが、あなたが正しいんです!」

 ま〜だ気持ちが込もっていませんねぇ、もう一度!
「ああ、どうかお許し下さい! 心の底からお詫び申し上げます!
 私に非があるのは誰の目にもあきらかです!
 あなたが、あ・な・た・が・正しいんです!!」

 実際こういった場合、自分に全く非がない事の方がほとんどですが、まぁ世の中そんなもんです。レット・イット・ビーの精神ですね。テレビの前の皆さんも、今日からは、もっともっと豊かな心・豊かな言葉で、日本中の人たちと楽しく接する事が出来るでしょう。私は出来ません。

 それではさようなら。また来週お会いしましょう。
 高田純次でした。なぁ〜んちゃって。

※この文章は当然フィクションです。


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