いきものこわい


 新譜というのは、あまり聴かない。頻繁にCDを買う事もないし、ラジオも聞かない。歌番組はあまり見ない。手持ちのiTunesでは、80年代の洋楽とギターミュージックばかり好んで聴く。結局、新しい歌ものには縁がない。
 そんなワシであるが、昨年、“いきものがかり”の「YELL/じょいふる」を買ってみた。目的は後者。グリコポッキーのCMソングで流れていて良い感じだったもので、珍しく新譜として聴いた。ノリノリだ。

 で、曲の感想を、というわけではない。ワシはつい最近まで、“いきものがかり”のことを大きく誤解していたのだ。一般的に、小学校などで小動物を飼い、その世話をするのが”いきものがかり”なのだろうが、ワシは違った。

 最初にこのユニット名だかバンド名だかを聞いたとき、反射的に怖いと思った。

 ワシの頭の中の連鎖。
 「いきもの」→「もののけ」→「生き霊」→「憑(つ)きもの」→「きつねつき」
 「がかり」→「神がかり」→「憑依」→「悪霊」→「怨霊」
 「いきものがかり」→「生き霊の憑依」→「たーたーりーじゃー」

 わーらーうーなー。
 今でこそなんとも思わないが、前は怖かったのだ。よくもこんな怖い名前つけるよなぁ〜。よっぽど深い理由があるのだろう…などと、真剣に思っていたのだ。怨霊背負ってるなら中島みゆきだろう、というツッコミがありそうだが、勝手に“世にも奇妙な3人組”にしてしまっていたワシの、トホホな話であった。
 最近、いや、だいぶ前から更新されないまま放っているこのサイトだが、一応気にはしているので、今後ともよろしゅうに。


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ライブ・スターの喜劇


 昨日買ったDVD。 「GO-BANG'S ON STAGE. 1989-1990」。
 ワシは、ゴーバニストである。森若香織のオールナイトニッポン(火曜2部)も、高1の頃、目の下真っ黒にしながら毎週のように聴いていた。

 ワシが16歳で上京し、初めて観たライブは、1989年5月10日、ゴーバンズの渋谷公会堂。この渋公ライブは、彼女らにとって初のホール展開となる記念すべきもの。あれからちょうど30年、このDVDは、その時の模様を収録したものである。ちなみにDVDの後半、翌年の武道館の映像も入っているのでおすすめ。

 で、とにかく観てみた。森若香織、谷島美砂、斉藤光子。全員若えぇ〜。あの日の記憶が一瞬にして蘇り、涙もちょちょ切れるほど懐かしく、また嬉しかった。

 ところで、このライブの序盤で森若ちゃんに「あるハプニング」が起きるのだが、やっぱりというか結局というか、DVDではカットされていた。念のため、Google等で検索してみたが、その出来事は出てこなかった。なので、30年の祝いとして、ネタばらしする。

 予備知識:このライブにあたって先行発売されたゴーバンズのニューアルバムは「SPECIAL I LOVE YOU」。その中に「ショートカット・ラブリー」という曲があった。※歌詞は、検索すれば出てくる。

 ライブのオープニング。メンバー(サポート除く)3人とも、意外とチープなファッションで現れた。森若ちゃんは、トレードマークの長い髪を左右に編み込み、キュートなおさげをぶら下げ、くどい笑顔で(←笑うとこ)ステージ狭しと駆け回っていた。
 そして、何曲目だったか覚えていないのだが、森若ちゃんの頭から、何かが落っこちた。

 …それは、おさげの片方だった。

 記憶が定かでは無いが、なんとかそれを拾い、どうにか一曲歌った…と思う。もしかしたら、ステージ袖に、一度引っ込んだのかも知れん。

 曲が終わり、森若ちゃんがしどろもどろに言った。

「みんな! みんな……、何も、何も見なかったよね? ね?ね?
 何 も 見 な か っ た よ ね ?」

 メンバーはどうにか体制建て直し、ライブを続けた。そして、幾度かの衣装替えの後に現れた森若ちゃんは、ゴールド系のゴージャスなフレアースカートを身にまとい、見事なショートカットだった。ぶっちゃけ、サプライズに失敗したのだ。
 途中まで、いつものロングヘアーだったのが、一気にショートにして驚かせてしまおうという計画。ヘアメイクさんや他のスタッフの人達も、その瞬間「ヤベーーー!」と思ったかも知れないが、そこは森若ちゃんのキャラ。「楽しけりゃいいじゃん!」だ。メンバーも観客席もハッピーだったと思う。

 これが事の顛末なのだが、あの時の森若ちゃんのオロオロとドキドキ。30年前の出来事を、ワシは決して忘れない。生涯ゴーバニスト。永遠にゴーバニスト。


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